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2014年 木造設計塾 III

はじめに

「杢人の会」が目指すことは、住み手の希望に添って、造り手の創造性を生かした木造住宅を造ること、それを長く維持してゆくこと、その両方を実現できるような造り手の連携(パートナーシップ)を確立すること、この三つです。そのような連携が、住みよい住宅を提供し維持してゆく基礎だと考えています。木造住宅は技術だけでは、造ることも維持してゆくこともできません。住宅の住み手、造り手(職人集団・設計集団)、さらには林業の担い手、等々が一体で動く仕組みが必要です。
木造設計塾では、その仕組みの中の設計者像とはどのようなものなのか、協同の中でどのような専門性が必要になり、どのような責任が生じるのか、そこをテーマに考えてゆきたいと思っています。

日本の木造住宅の現場は、我々が考える「日本の木でつくる」という状況から、ますます離れてゆく事態になっています。法隆寺や平泉の寺院、白川郷や五箇山の集落が世界文化遺産に登録されていますが、それらの建物の木でつくる技術が現在の日本の住宅に生かされているわけでは、まったくありません。逆に、それらの技術を捨て続けてゆく中で木造住宅はつくられています。捨て続けている技術を実現している文化遺産とはいったい何の意味を持つのか、われわれの住宅をつくる技術とはどのようなものなのか、疑問は付きません。
日本の木造の技術を、つくる立場で分析し、計算し、新しく工夫し、それらを現在の状況のなかでどのように使ってゆくのか、どこを目指してそれらを深化させてゆくのか、設計塾で考えてゆきたいと願っています。
前回の設計塾の講義を進化させ、さらに新たな講義を加えて、木造設計塾でしかできない環境を作りたいと思っています。
木造住宅の造り手を目指し、このような試みに興味があり、木造住宅の現場に自立した設計者として参加したいと考えている人たちの応募を願っています。


木造設計塾III のテーマ

1) 木造住宅づくりの基本である木構造の原理的な考え方を解説する。
2) 木構造の講義で解説された基本的な認識を、具体的な設計作業の中でどのように実践するのかを、具体例で順を追って解説する。(新)
3) なぜ、そのような木造住宅造りをするのか、その意味を解説する。
4) 大工の視点から木構造や木の納まりを解説することによって、木に従うつくり方、設計方法を考える。
5) さまざま視点から、当事者意識に基づく設計者像(大工像)を考える。


講義内容

1)設計塾Uの大工の視点を体系的に整えることで、より実践的に展開する
1:手板→矩計・原寸図→刻み→造作という手順のなかで何が重要か
2:実演も交えて具体的に解説する
3:設計と大工の共同の視点をつくる
4:内島さん+杢人の会大工

2)木構造
1:基本的講義→木の特性に沿った木構造の基本的な考え方
2:実践的講義→渡り腮構法の構造設計指針
        大河原木材の梁組みを使った講義と展開
        大河原木材の耐震方法や風荷重に対する解説

3)設計法
1:渡り腮構法の基本的な考え方
2:伏図軸組図作成法
3:梁断面の決め方
4:渡り腮腮構法の展開方法
5:設計法の実践的な解説
  渡り腮構法の住宅の具体的な設計過程を順に説明する
  (山下邸の基本設計から実施設計の作業過程の解説)
  基本設計の平面から実施設計の平面がどのように変化するのか
  平面計画は二度行われる
  イ)構面計画から梁組の考え方
  ロ)梁成の選択、梁の継手位置と考え方
  ハ)耐力壁の配置計画による平面の変化→地震と風
  ニ)軸組図で考えること
  ホ)展開図や詳細図で考えること

4)当事者としての基本的認識
1:戦後の住宅政策の問題点
2:リゾーム
3:木造住宅設計の変遷

5)大工の視点
1:手板や矩計を作りながら考えること
  番付の振り方
  どの寸法が重要か
  何を気にするか→どこが重要なのか
  設計図面のどこを見るのか。
  どこにこだわり、なぜこだわるのか、
  設計のこだわりのどこが理解できないのか
  なぜそんなところにこだわるのか
2:墨付けをしながら考えること(1)木拾い・土台・2 階床組み
3:墨付けをしながら考えること(2)小屋組み
  必要な図面と必要な(重要な)寸法
  墨付けの基本
  何を気にするか→どこが重要なのか
  どのように木を選別して配るのか
4:刻みをしながら考えること ー軸組みの組み立て方
  梁組みの方法・軸組の納まり方
  無駄のない梁組みとは
  梁組みでこだわるところ
5:刻みをしながら考えること ー接合部・継手の納まり
  継手や仕口の造り方と実演
6:造作をしながら考えること
  適切な納まりとは
  基本的な納まり(面内納まり・留め)

※以下の講義は、2015年大工塾X に参加して受講する。

6)構造実験
・接合部の引っ張り試験
・耐力壁の水平加力試験
・試験データの解析
7)SS試験演習とデータ解析の方法
8)中間処理場の見学
9)林業家の話
10)室内環境
11)防耐火


講師

・植久哲男
・丹呉明恭 丹呉明恭建築設計事務所
・山辺豊彦 山辺構造設計事務所
・杢人の会会員

 >> 詳しいプロフィールはこちら


教科書

1.「渡り腮構法の住宅のつくり方」丹呉明恭+山辺豊彦 (建築技術)
   ※定価の80%で販売します
2.「伏図・軸組図作成法と納まり−木の構造システムの設計法」
   丹呉明恭+山辺豊彦 (杢人の会)非売品


期日

・2014年4月〜2014年9月 6回(毎月第4土日に開催)
・土曜日 1時限 15:00〜16:30
     2時限 16:40〜18:10
     懇親会 18:30〜
 日曜日 1時限  9:00〜10:30
     2時限 10:40〜12:10
     3時限 13:00〜15:00
・2015年の大工塾X(4月〜12月予定)に参加する

 >> 詳しい講義日程はこちら


会場

・大河原木材 埼玉県飯能市小岩井259【Google map
 ※宿泊可(寝袋持参)

募集人数

20人(募集人数が多数の場合には選抜します)

応募条件

住宅の設計・監理・施工の実務経験1年以上(実務経験の種類は問いません)

応募方法

当サイトの「入塾フォーム」に必要事項を記入して送信してください。
郵送・FAXでのお申し込みを希望される方は、申し込み用紙(PDFファイル 約41KB)をダウンロードして、事務局にお申し込みください。

受講料

・設計塾受講料 80,000 円(大工塾への参加費含む)
 (構造実験・SS 試験・中間処理場見学・林業家の話・室内環境・防耐火)
※大工塾既受講者は 50,000 円

事務局

協同組合[杢人の会]事務局
埼玉県東松山市松山 2339-3
Fax 0493-22-4038
email info@mokuzou-sekkei-j.net

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