1.杉の話:和田善行
杉は日本で一番多く植林されている木です。この杉をどのように使ってゆくのか、その答えのあり方は、日本の林業の試金石になると思われます。
和田さんは杉に強い情熱を注ぐ林業家です。杉とはどのような木なのか、その特性の解説、杉を使った木造の技術のあり方、日本の林業は今どのような状況にあるのか、林業のあるべき姿とはどのようなものなのか、杉をめぐる話題を多岐にわたって語ってもらいます。
2.「土壁の現在・未来」:戸塚元雄
土壁を今後も住宅の中に残そうとするならば、いま土壁が置かれている状況を知り、将来へ繋ぐ方法を考えることが大切です。
壁土は現在どこでどのようにつくられているか、各地の土にはどんな違いがあるか、土の強度性能の確かめ方など、これまであまり知られていなかった壁土に関する基礎的な知識について説明します。
<壁土はどのようにつくられているか>
壁土製造の今昔
壁土製造所マップ
壁土強度試験方法の説明
強度試験結果一覧
<土の見分け方>
地層・地質との関係(代表的な地層帯の説明)
粒の話(土の分類と粒径分布曲線)
粘土の話(粘土鉱物のはたらき)
<土壁の未来>
工学的検証の道筋
cとφの話
土質工学との類似と違い
壁土の改良
3.「木造住宅をどのようにつなげるのか」:和田善行・戸塚元雄・植久哲男・丹呉明恭
和田さん、戸塚さん、それと10 月の金田さん、大工塾の講師に招いた人たちは日本の木造住宅の核心に迫ろうとして、個人もしくは小さなグループでコツコツと新たらしい地図を作るような作業をしてきた人たちです。このような地道な作業が、日本の木造住宅を未来に繋げることができる唯一の方法だと考えられます。それらの小さな活動を拾い上げて「住宅建築」で紹介してきた植久さんにも加わってもらって、住宅造りの中で何を考えてゆくのか、それをどのように繋げてゆくのか、皆で話し合いたいと思います。
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