1.大工塾開設までの経緯と講義方針
1998 年から大工塾が始まり、2010 年に九州大工塾と木造設計塾が開始されました。
3つの塾は、連携しながら継続する計画ですが、これらの一連の活動の経緯を概観しながら、大工塾の基本的な方針を考えます。
同時に、大工塾・九州大工塾・木造設計塾・杢人の会の連携のもとで何を目指すのか、について考えます。
2.木造住宅の疑問を解剖する
大工塾や設計塾に集まるきっかけは、実際の現場でいろいろな疑問に突き当たって、それらを解決する糸口を見つけたいという思いが大きいだろうと思います。それらの疑問に対する答えが見つからないと、みずからの設計や大工仕事に確信を持つことができません。まず、どのような疑問があるのか、そこを考えるところから始めたいと思います。
いろいろな疑問を整理してみると、方向性が見えてくるかもしれません。
3.木構造(1)基本知識
木構造を理解するためには、まず木という素材の構造的特性を理解してから、次に構造体の特性を理解することが必要です。木構造の基本的な知識について、木の特性を知ることから解説します。6月と8月に予定している実大試験体の実験をよりよく理解するために、4月と5月で木構造の基本を解説します。
4.渡り腮構法とは
大工塾の講義の中から、生まれたのが渡り腮構法です。会場の展示住宅も、渡り腮構法で建てられています。大工塾の木構造の講義では、できるだけ具体的な技術に結びつけて考えられるように、渡り腮構法を例題として使用します。渡り腮構法とはどのような構法なのか、どのような考え方でできているのか、解説します。
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